ユナイテッド航空の乗客引きずり下ろし事件に思うこと。
ユナイテッド航空がオーバーブッキングで、正規でチケットを購入したベトナム人の乗客を警察の力を借りて、無理やり引きずり下ろしたそうです。しかも、その顧客を引きずり下ろした後、搭乗させたのは、まさかの自社の社員。頭のネジが少し外れているのでは、と思えるような事件は世界中で発生しているようです。
事件はすぐさま乗り合わせた乗客により拡散され、最初は顧客が攻撃的だったと自社の対応に間違いはなかったと豪語していたCEOも世界中からの批判を浴びて、ついに謝罪に至ったようです。
私は、海外出張で、ユナイテッドをよく利用しました。アメリカ国内の乗り継ぎが便利だったので、社内ではユナイテッド愛好者が多かったように思えます。
成田とサンフランシスコ便は、いつも混み合っていた記憶があります。
とある出張の帰り、サンフランシスコから成田行きのユナイテッド航空に搭乗した際、アジア系の女性が遅れて乗り込んできます。
コートを座席の上の荷物入れに押し込み、席に着いたのも束の間、座席で揉め始めます。どうやら彼女の座った座席に別の乗客が来たようです。キャビンアテンダントからチケットを見せて欲しいと言われた彼女、
荷物入れの私のコートを取って頂戴。(英語)
と、キャビンアテンダントに横柄に指示します。
キャビンアテンダントのアジア系男性は、すぐさま、彼女のためにコートを取ります。
チケットを確認した彼女、自分が座席を間違えていたことに気づき、
I am veeeeeeeeeeeeeeeeeeeeery sorry. (ごめんなさい)
と、大げさに謝って席を移動します。
その時です、黙っていたそのアジア系のキャビンアテンダントが日本語で、
何だよ。
と言ったのです。
どうやらアジア系男性は、日本人男性だったようです。
そして、件の彼女。
機内でも流暢な英語を話し、英語の本を読んでいたのでてっきり、日本人ではないと思っていました。(その便は成田経由でアジア方面に向かう便でした。)
しかし、成田で飛行機を降り、そして、外ではダンナさんと思われる男性とお子さんが出迎えに来ていたのです。
彼女は、生粋の日本人だったようです。
ということは、あの日本人アテンダントの『何だよ』は、聞こえていたはずです。
せめて、乗客の国籍チェックをしていたら、周囲に日本人がいることが分かり、あのような暴言はなかったのだと思います。
見るからに好青年でサービスも丁寧だった彼の何だよ暴言。
今回の乗客引きずり下ろし事件で、ふと思い出しました。