『気持ち良く騙してください。』と顧客に言われた営業の話。
朝から快晴の爽やかなお天気です。
ところで先日、マンションの内覧に出掛けました。担当してくれたのは、入社4年目の営業マン氏、最後のひと押しが甘くてこちらがやきもきしてしまいました。
わざわざ問い合わせまでして、現地に来た見込み客を、そうそう簡単に手放してはいけません。
その営業氏を見ていて、私の知り合いの営業A氏を思い出しました。
彼は、某外資で法人顧客向けに営業を担当していました。
世の中のダウンサイジングの流れで、彼の扱うシステムも小型のコンピュータになって行きます。
それまで、ダウンタイムを最小限にした大型コンピュータのシステムを扱っていたA氏としては、小型のコンピュータは何とも心もとありません。
しかし、世の中の流れで、お客様も小型コンピュータを指定するようになります。
本当にお客様に売ってしまって良いものか、、逡巡するA氏。
ついにお客様が、痺れを切らして、こう言います。
『Aさん。我々は、このシステムを導入したいと考えています。気持ち良く騙してください。』
繰り返します。
『Aさん。我々は、このシステムを導入したいと考えています。気持ち良く騙してください。』
そうなのです。人間、買い物をするときは、自分が選んだものを、気持ち良く買いたいものなのです。
買った後、お客様が良い買い物をしたと思えれば、営業としては成功なのだと思います。
その後、何かが吹っ切れたA氏。
小型コンピュータを活用したシステムを、その後提案しまくり、その年の最優秀営業として表彰されました。