リストラは、宣告する側も災難だという話。
これまで勤務していた会社には、リストラマニュアルなる文書が用意されていました。無理なく、無駄なく、宣告する側が心理的負担を負うことなく、リストラを宣告するためのマニュアルです。
大抵、リストラ宣告は、直属のマネージャからされますが、未然のトラブルを防ぐために、人事が同席することが多いようです。
マネージャ氏が海外の場合は、電話会議で宣告することもあります。
とあるA社での出来事。海外のマネージャ氏が、日本にいる部下に、電話会議でリストラを宣告した時のこと。参加者は、海の向こうからマネージャ氏、日本側は、ターゲットの社員と日本の人事担当者です。その際、電話でリストラを宣告された社員が激昂し、あろうことか、一緒に電話会議に参加していた人事担当者に殴り掛かったことがあります。人事が何か言ったことで、導火線に火をつけたのか、その辺りは定かではありませんが、その社員、リストラではなく、解雇処分となったらしいです。
私の知り合いが、リストラを宣告され、人事と何度か面談した時のこと。その知り合いのマネージャ氏は、海の向こうです。自分は、宣告済みだから、退職の条件等は日本のオフィスでやってちょうだい、という魂胆だったのでしょう。その後の退職面談は、日本の人事に丸投げでした。何度か目の人事面談の際、何と人事の担当者氏の手が震えていたそうです。
どうやらこの人事担当者氏、日本企業からの転職組みでリストラ面談には、慣れていなかった模様です。片や、私の知り合いは海千山千の強者です。のらりくらりと人事担当者の質問をかわし、少しでもいい退職条件を引き出そうとしていました。太刀打ちできる訳がありません。件の人事担当者氏、『こういう場は、慣れていないんです。』と本音を漏らしていたそうです。
海外では、リストラされた社員が、職場で銃を乱射したという事件を耳にするたび、日本でも、銃とまでは行きませんが、同じような事件が起きるのでは、、と不安になります。
そのくらい、リストラは宣告する側、される側に大きなダメージを与えるからです。
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