刺客A子の話。
『評価するのは、あなたではない。』と昨日、書きましたが、私の元同僚のA子は、営業、カンマネをクビにしたことがあります。正確には、彼女からのエスカレーションが元で、彼らは見事に職を失っています。
A子はバックオフィスを担当しています。営業の案件の管理、契約を含む発注業務、海外本社とのやりとりが主な業務です。特に案件管理は、営業のインセンティブに直結するので、営業に取って彼女の影響力は絶大でした。
まず、殿。自分の腹心の部下に案件を付け替える等の不公平な所業や数字の書き換えを、彼女は全てHR、本社にいるボスに逐一報告していました。
殿なき後、新たに採用されたカンマネ氏。どうやら彼は、カラ出張や経理のごまかしが日常茶飯事だったようです。後ほど、判明するのですが、前職も業務上横領が発覚し、職を失っていました。そして、彼女は、ある行動に出ます。カンマネ氏の不正会計、カラ出張をHRのみならず、経理部門へも告発をしたのです。
すぐさまカンマネ氏に調査が入り、不正が発覚。カンマネ氏はそのまま、職を失います。
次いで営業B氏。
あろうことか重要ミーティングを欠席した日。海外旅行に出掛けていることをSNSにアップしていました。詳しくは書けませんが、日本から程近い週末リゾートのビーチの風景です。
もちろんA子が見逃すはずがありません。B氏のレポーティングマネージャ、HR、自分の上司へ報告したのは言うまでもありません。
A子にいつも楯突いていた営業C氏。
営業経験のないA子。本社からの指示を絶対的バイブルとして死守していました。そんな彼女に異を唱えた勇気ある営業のC氏。
彼もプロセスが分かっていない等の理由で、A子からダメ出しされ、リストラリストの二番目に追加されました。もちろん一番目はB氏です。
A子はとても真摯に職務に専念しています。真面目過ぎるくらいです。その彼女の生真面目さが、自分の子飼いを可愛がる殿や、会社を私物化しているカンマネ氏や、営業のいい加減さが、我慢できなかったのだと思います。
A子から所業をエスカレーションされたこの4人全員、職を失ったのは言うまでもありません。
昨日書いた通り、批判する部下は何の権限も力も持たないかも知れませんが、思わぬところから刺される可能性があること、くれぐれも注意して頂きたいものです。