『ゼロ』を読んで、ライブドア事件って何だったんだろうと思った話。
ご存知の通り、堀江氏は、2006年のライブドア事件で、証券取引法違反の容疑で逮捕されています。2年6ヶ月の実刑判決を受け服役、2013年に出所しています。『ゼロ』は出所後の初めての本と言うことで当時、随分話題になりました。
ライブドアといえば、株式分割と節操のない(様に見える)企業の買収・合併(M&A)を繰り返し、球団の買収や放送局の買収にまで乗り出し、企業実態がないとか、虚業だとのバッシングを受けました。
その当時、代表取締役社長だった堀江氏の『時価総額世界一になる。』が一人歩きし、金の亡者の様なイメージになっていました。
結局、ライブドアは特捜の捜査で、53億の粉飾決算が判明。堀江氏を始めとする役員は実刑判決を受け、会社は上場廃止、後に韓国企業に買収されています。
しかし、日本を代表する電機メーカーである東芝の場合、2015年度2,306億円の利益の水増しが判明しています。にも関わらず、報道上は不正会計です。いやいや、これって粉飾決算ですよね、、。
球団に関しても、ソフトバンクが2004年にホークスを買収、楽天は2004年に新規参入、DeNAが2011年横浜ベイスターズを買収、ITベンチャーと目される会社が相次いで球団経営に参画しています。
ちなみにテレビ局の買収も、楽天が2005年から2009年にかけてTBSの買収を試みています。結局、買収できず断念しましたが。
結果的に同じことをやって、日本中のバッシングを浴びた堀江氏と孫さんや三木谷さんとの違いは何だったのだろうと改めて思います。
なり物入りで特捜が動いても出てきたのは、高々50数億の粉飾決算のみです。もし50億の粉飾で会社が上場廃止になるのであれば、東芝は二部降格ではなく即刻上場廃止でしょう。
思うに、ライブドア、ひいては堀江氏を社会的に抹殺したいとの思惑だったのだと思います。
当時の堀江氏はメディアの露出も高く、成り上がりのITベンチャー社長として、ラフな格好で現れ、先の時価総額の話や、金で買えないものはない、と言った発言が面白おかしく報道されていました。
本業の方は、株式分割とM&Aを繰り返していました。M&Aした業態も多岐に渡っており、ライブドアは実態がないとも揶揄されていました。
風向きが変わってきたのは、近鉄バッファローズの買収騒動と、ニッポン放送株の取得あたりからだと思います。つまり、それまで傍観していた、古き良き時代の経済界が、ライブドアの勢いに恐れを抱いたのだと思います。(あくまでも個人の感想です。)
ただのITベンチャーなら我慢できるが、球団の買収や、大手企業の買収は看過できない。このまま放っておけば、大手企業も買収のターゲットにされてしまうと言う思いです。実際、ソニーの買収計画があったと言う話もあります。
結局、特捜が入った大掛かりな捜査でも罪状は粉飾決算です。彼らが繰り返し実施してきたM&Aは合法だったと言うことです。それでも、出過ぎた杭を完膚なきまでに叩きのめしたのが、真相の様な気がします。
もう10年以上も前の事件ですが、当時は、役員の一人が沖縄で亡くなったり、かなり後味の悪い事件でした。
『ゼロ』を読んで改めて何だったのだろうと考えてしまいました。
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