目線は先、目線は高く。玉塚元一氏の講演を聞いた話。
先日、元ローソン会長、玉塚元一氏の話を聞く機会がありました。
玉塚氏と言えば、ファーストリテイリング、ローソンと大手の会社で経営に携わって来た人物です。プロ経営者としての評価も高い反面、一部メディアで、ネガティブな報道がなされたこともあり、一体全体、どのような人物なのか、興味津々でした。
実は、私には、玉塚氏の講演会に申し込んでいたものの、当日キャンセルになった経験があります。ちょうど、ファーストリテイリングの社長を電撃退任したタイミングです。ニュースでは、柳井氏から解任されたとセンセーショナルに報道されており、志半ばで放逐されたと勝手に思い込んでいました。
さて、講演の当日。
小学校から大学まで慶應に通い、大学時代はラグビー部に所属、MBAホルダーとくれば、順風満帆な人生を歩んで来たスマートな方をイメージしていましたが、颯爽と登場した玉塚氏本人は、全くの体育会系で、しかも熱い。学生時代に取り組んだラグビーで努力すれば巨象も倒せることを学び、とにかく海外で仕事がしたいとメーカーの旭硝子に入社、念願が叶いシンガポールへ赴任したそうです。MBA留学中に経営者になりたいと思ったきっかけを熱く語ります。
いい意味で期待を裏切られたとき、ユニクロの柳井氏と出会ったきっかけについて語ります。日本IBM時代に、山口にあるユニクロの本社で柳井氏の前でプレゼンをしたそうですが、今から考えると恥ずかしいみっともないプレゼン(本人談)だったそうです。真剣に経営をしている柳井氏にコンサル提案をしたからだそうですが。
私が勝手にユニクロを放逐されたと思い込んでいた、柳井氏との関係も良好で、今でも経営の師と仰ぎ、会われているそうです。どうやら一方的に放逐された訳ではなかったようです。
彼がよく使う言葉に、『向き合う。』というのがあり、問題そのものに向き合う、お客様に向き合う、自分自身に向き合う、ことのようです。
また、経営に参画して行くことを『突入する。』と表現しており、自分ごととして向き合っていることが良く分かりました。
何かの記事で、育ちの良いおぼっちゃま経営者で人からは愛されるが成果が出せない、と言う批判を目にしたことがありますが、本人を目の当たりにすると、とても表層的な記事であったことが分かります。
体育会系で熱い、その熱さで経営に向き合い、突入しているからこそ、人から信頼され愛されるのだと思います。
現在社長を務めている、IT業界のハーツユナイテッドグループについても、人材がいい、人と技術を結びつけられる業態がいいとこれまた熱く語っていましたので、いい成果が期待できるのではないかと思います。