『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方』を読了した話。
遅ればせながら、今年のお正月に元USJ 森岡毅氏の著書『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方』を読了しました。
さすがマーケティングプロフェッショナルの森岡氏が書いた本です。USJで活用したマーケティング手法の基本が丁寧に書かれており、マーケティングに携わっていないビジネスパーソンにも非常に参考になる内容だと思います。
マーケティング手法の章に続き、マーケティングに向いている人の特性や、キャリア構築の話が続いたので、正直、読み飛ばそうかと考えていました。
しかし、、最後の章の、大学時代、阪神淡路大震災で親しかった学友を亡くされた話に衝撃を受けました。そしてそれが、今の森岡氏の熱量の高さに繋がっているのだと知ります。
かいつまんで説明すると、森岡氏と親しかった学友は、留学生で、寮の倒壊で亡くなりました。彼女は、日本人と同じ様に、センター試験を日本語で受験して合格した才女で、美しい日本語を話し、性格も朗らかで、思いやりのある素晴らしい方でした。本国から駆けつけた御両親と友人たちで斎場から彼女を送ったそうです。
斎場では、震災で、あまりにも多くの方が犠牲になったため棺が足りず、合板で作られた質素な棺が、10トントラックでどんどん運び込まれ山積みにされていました。
彼女の様に素晴らしい才能に溢れた人でも、善人であっても、人間、いつ死ぬか分からない、山積みの棺の一つになってしまう。そのリアルな現実を目の当たりにし、自分が何も達成せずに死ぬことはとても怖いと思ったそうです。
そしてあの震災以来、自分のやりたいことに対して、常にポジティブであろうと決めたそうです。
仕事で失敗しても、会社をクビになっても、誰かが命を取りに来るわけでない。一度しかない人生で、今、自分が泳いでいることの奇跡を感じ、自分を輝かせることにもっとポジティブにならないともったいないことに早く気付くべきだ、と続けます。
あなたはいつかきっと輝くはず。失敗しない人生なんて、何にも挑戦しなかった臆病者の命の無駄遣いで、そんな人生こそ最大の失敗だと言い切っています。
ガツンと頭を一発殴られた様な気がしました。
そう言えば、米国本社の親しいマネージャ氏から同じ様な事を言われたことがあります。
失敗するかも知れない挑戦に躊躇していた私に、彼が『失敗したら何を失うんだ?(超意訳)』と聞いてきました。答えられない私に彼が続けて、『(失敗しても)何も失うものなんてない。(超意訳)』と言い切ったのです。
失敗したら恥ずかしいと言う些細なプライドから、できない理由を並べ立てていた自分に、その言葉は響きました。
結局、その挑戦には見事に失敗しましたが、彼が言う通り、失ったものは、何もありませんでした。
マーケティング手法はもちろんのこと、彼の熱量の高さの一端を知ることの出来るオススメの一冊です。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
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