momoichiの日々つれづれ、、

元外資系企業管理職。 外資管理職->無職フリーダム->起業(いまここ) 人生なるようになる、なるようにしかならない。 人生、絶賛継続中。

謝罪会見で人生を取り戻した日大の選手と、日本の縮図の様な日大の対応の話。

日本大学(以下、日大)が炎上しています。

発端は、5月6日に開催された関西学院大学(以下、関学)との定期戦で日大の選手が、無防備であった関学の選手に後ろからタックルをし、怪我を負わせた事件です。

この悪質タックルがSNSで拡散、炎上し、やがて大手メディアが取り上げる事態となり、日大の対応を巡り、今も炎上を続けているものです。

日大の関学側への誠意のない回答に対して、騒ぎが大きくなる一方の時に、渦中の当該選手が、22日、弁護士同伴の元、単独で会見を開きました。

謝罪会見といえば、昨今では、TOKIOの山口氏、マクドナルドの異物混入事件、少し前の話では、雪印の会見終了後の社長の失言と、少しでも対応を誤まってしまえば、再炎上を招いてしまうとてもセンシティブなものです。社会人経験豊富な企業の社長ですら、対応を誤ってしまう謝罪会見に、20歳の若者が単独で臨む、一歩間違えば、彼の今後の人生すら台無しにし兼ねない、とてもリスキーな決断だったと思います。

当日、ライブ配信で、会見を観ましたが、彼の対応は、完璧でした。

まず、怪我をした相手選手やご家族、相手チームへの謝罪の言葉を述べ、なぜ、あの悪質タックルが起きてしまったのかを時系列でまとめた陳述書を読み上げ、監督やコーチからの指示であった事、とは言え、やってしまったのは自分の弱さであると、自分の非を潔く認め、そして、今後、アメフトをやる権利も、やるつもりもないと言い切った事です。

ワイドショーのレポーター達がこぞって、監督やコーチへの恨み言を聞き出そうと、あの手この手の誘導尋問を仕掛けましたが、実行してしまったのは自分で、監督やコーチに対して自分が何か言う事はない、と冷静に対処したのは、あっぱれな対応でした。

恐らく、この会見を開くに当たって、然るべき専門家が助言をしていると思います。

彼のことを心配したご両親が、正しい専門家に、正しいタイミングで助けを求め、この会見に繋がったのだと思いますが、彼は、この会見で、人生を取り戻したと思います。

方や、この会見を受けて翌日に開催された、監督、コーチの会見は、余りにもお粗末な対応でした。悪質タックルの指示はしていないと保身とも取れるコメントに終始し、しかも、あろうことか司会進行を担う、広報職員と思われる人間が(身元を明かす自己紹介はなし)、記者と言い争いになり、会見を中断してしまう始末です。これでは、前日の当該選手の対応が、余計に誠実に見えます。

その後も、日大学長が、五月雨式に会見を実施しましたが、人の心を動かしたのは、当該選手の会見であったと言わざるを得ません。それは、自分の言葉で、正直に語っていることが誰の目から見ても明らかだったからです。

日本は、今や首相が先頭を切って、息を吐く様に嘘をつきます。国会の証人喚問の場では、財務省の官僚が、また、録音データでセクハラの証拠を突きつけられても認めない元次官、記憶喪失にでもなってしまったのかと思われる元総理秘書官。廃棄されたはずの書類が次から次へと出て来る、まるでマジックです。彼らに一貫しているのは、首相や自分たちの組織を守るために、明らかな嘘を付いている事と、証拠を突きつけられても、決して非を認めない事です。

そうです、日大の監督やコーチ、学長の対応は、まるでいまの日本社会の縮図なのです。

子供が聞いても分かるような嘘を平気でつく昨今であるからこそ、当該選手の誠実さが光ったのではないかとつくづく思います。

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