momoichiの日々つれづれ、、

元外資系企業管理職。 外資管理職->無職フリーダム->起業(いまここ) 人生なるようになる、なるようにしかならない。 人生、絶賛継続中。

その人の会社での価値は、退職する時に表れると言う話。

フィギュアスケート浅田真央選手が現役を引退するそうです。休養後の復帰戦では、精彩を欠いていたので引退もやむを得ないことなのかも知れません。彼女のブログには、選手として続ける気力がなくなったと記されています。恐らくスケートに対するモチベーションがなくなってしまったのだと思います。

会社でも、その会社に見切りをつけ、退職を決意した社員は、その会社で働くモチベーションがすっかりなくなります。

退職の決意をする前に何かしらの手を打てればいいのですが、大抵は、退職の意思を伝えられ、右往左往することになります。その人が会社にとって価値のある人材であればあるほど様々な条件を提示して引き留め工作をします。

よくあるのが、雇用条件の変更です。希望の部署への異動であったり、勤務地の変更です。ストックオプションの付与や給与のアップ、ジョブレベルのアップもあります。その条件でも引き留められないと分かると出来るだけ退職日の引き伸ばしに掛かります。

かつて私の部下にとても優秀なA君がいました。彼は某有名大学を卒業後、日本企業に就職し、縁あって私のいた外資に転職してきました。もともと彼は起業を目指しており、この転職もその過程の一つだと聞かされていました。

彼は、地頭の良さと、明るい性格から素晴らしい業績を達成して行きます。

そして、ついにA君から起業するので退職したいと言われます。彼の希望は前々から聞かされていたので反対は出来ません。

当時の私の上司は米国本社のアメリカ人です。A君から退職の意思を示されたことをレポートすると、彼の回答はまさかの引き留めでした。

いやいや、本人、起業するって言ってますよ、、

それでも上司には逆らえないので、A君と面談します。

『会社としては、優秀なあなたには、引き続きこの会社で活躍して欲しいと思っています。もし、会社の勤務条件を変更することにより、会社に残れるのなら何なりとおっしゃってくださいな。』

と、私の上司の意向を伝えます。

A君はきっぱりと、

『いえ、起業しますので、結構です。ありがとうございます。』

言います。

諦め切れないのは、本社にいた上司です。

A君とのテレカンを設定しろ、自分が説得すると息巻きます。

仕方ないので、英語が苦手というA君のためにテレカンを設定します。

そして、上司からテレカン後、A君の退職は承認した、と連絡が入ります。

英語の苦手だというA君に、どうやって上司を説得したのか聞いてみました。

A君、胸を張って、

『I have a  dream.(私には夢がある。)』

って言ったんです。

繰り返します。

『I have  a dream.(私には夢がある。)』

です。

その後、起業したA君。事業が順調なのは言うまでもありません。

その人の価値は退職する時に表れるのだと思います。早く辞めて欲しい人材には会社側は決して引き留めませんから、、。